ジャズ喫茶の歴史の中での主流派は何といっても「私語禁止」「爆音」で「ジャズを聴かせる」ストレートな店だと思いますが、ジャズが非常に幅広い音楽であるのと同じく、ジャズ喫茶は爆音に変わるプラスワンでの多様性を拓き幅を広げてきました。
「日本特有の文化」を考えるに、実は、この「多様派」のほうに、より日本らしさが包括されているようにも感じられます。
プラスワンでの多様性の中での便宜的な括りでは;
AA: 歴史の積み重ねからくるゆるぎなき伝統美
DUGさんに代表されます。マスターが築き上げた写真家としての歴史、トップミュージシャンとの知己、拘りのインテリア、極上の軽食・スイーツ。すべてが融合され歴史の積み重ねで芳醇なヴィンテージワインの香りでいつも店内は包まれています。
マサコさん、ゆしまさん、ナルシスさんも同じ。他にも多数いらっしゃいます。店主さんの個性、立地のカラーなどの要因で店の個性は異なりますが、「伝統美」が核になっています。
BB: コーヒー、スイーツへの拘り
昔のジャズ喫茶の代名詞であったような「ただ濃くて不味いコーヒー」は今ではほぼ出会えません。それでもやはりコーヒー専門店同等と言えるほどの、一杯一杯丁寧に淹れられたコーヒーに出会うと、音楽とコーヒーの香りが絶妙に融合され、独特の寛ぎ感に包まれます。マスターが丁寧に焙煎する、神田珈琲さん、On A Slow Boat To..さん、独特な世界観を身につけたはやしさん。
CC: 総合文化
今は閉店され(信州の茶会記クリフサイドに場所を移した)茶会記さん。他にもいらっしゃいます。
とにかく独特です。 相当コアにならないと近づくのも難しいのかもしれません。かなり離れてしまいましたが、抜群の環境を伴った信州にいつかゆっくりと出向き、その真髄を掴んでみたいと思わせる店です。
ジャズはミュージシャンの個性がストレートに出る千差万別な音楽でもあります。全く同じようにジャズ喫茶も千差万別に歴史を切り開いてきました。それぞれの店主さんの個性に触れにあちらこちらと出かけられるのは、日本のジャズファンの極めて贅沢な楽しみと、いつも思います。
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