前掲で、餃子の展開を、Ⅰ=原点、Ⅱ=現地化展開、とわけたときに、Ⅰについては、各国・各地域に存在するのが嬉しかったのと共に、それぞれの空気性に共通の要素を感じ、改めて新鮮さを覚えたことを報告しました。
今回はⅡの「現地化展開編」です。
GG=シンガポール・・京華小吃
深圳になかなかいい感じのⅡが見つけられず、そもそも何が「深圳化」なのかわからないので深圳は対象外になりました。その代わりに「喜家徳」なのですが、番外編として行きました。本店が大連であることからもⅠなのでしょうが、700店!を超す大チェーンであることからの番外。
II= 深圳・・喜家徳
また、ペナンでは、前掲でⅠを載せましたが、ペナンらしきⅡを探すことはできませんでした。「プラナカン料理」のように、この地で育った文化を見つけることができれば、と思ったのですが(別途「ペナンは排他性が強く、、」と教えていただきました。なるほどです)
もう1店の番外です。
JJ= シンガポール・・CHANGI AIRPORT NO.3 TERMINAL (YONG TAU FOO)
FF=香港・・・美味餃子店
実は餃子探求旅の「第一号店」です。香港空港に到着後、空港バスに乗り、ホテルチェックインの前に、真っ先に向かいました(笑)。在香港の友人と待ち合わせ、友人の説明の援助を受け、この店の定番3点を注文。メニューの種類が少なく実質的に「餃子専門店」と言える店です。評判通りにおいしいとは思いましたが、何しろ忙しく、20人分くらいの椅子はたぶん常時満席で、もちろん当たり前のように相席。13:30 に店に入りましたが、一つ椅子を調達してもらって何とか着席できました。そして食事終了すれば、友人曰く「早く出たほうがよさそう」ということで、餃子の余韻を含め、積もる話は別の場所にせざるを得ませんでした。💦
ともあれ、メニューはごく僅か。3種類(4種類)で、それぞれがスープ餃子と焼餃子。
東北式の水餃子はありませんでした。「この店の一番人気は?」との質問を必ずするつもりでいたのに、最初の店があまりに忙しくて出鼻を挫かれて残念な限りです・・見た限りでは多くの客が二人か三人で、焼餃子とスープ餃子双方を頼んでいました。ネットでの口コミにも「焼餃子が目的!」といったコメントも多く見られます。仮説ではありますが、華南(広東)の状況においては『スープ餃子と焼餃子』が特徴としてあげられるように思います。
(あまり重要点でもないのでしょうが、東南アジア各店、1人前が6pcs/ 10pcs のところ(10pcsがより主体に感じられました。やっぱり主食として)、美味餃子店では7pcs/ 10pcs。
しかも7pcsと10pcs とで値差はあまりありません。。。一個が大振りで、私たちは2人で3品頼むつもりでそれぞれ7pcs にしました)
香港大南街74號
「きくらげ、キャベツ、豚肉」水餃子(スープ) HKD53/7pcs
「にら、豚肉」焼餃子 HKD52/7pcs + 「白菜、豚肉」焼餃子 HKD54/7pcs
GG=シンガポール・・京華小吃
初代の「ハンさん」がニールロードのこの地に店を開いたのが1989年。店のHPによれば『上海に住んでいたハンさんの母親と、妻が家庭で作っていたレシピを元に。。』ということです。なるほど、例えば東京の銀座店が小籠包を一番の前面に出しているのも、そういうことでしょうか。ともあれそれ以来、着実に店を伸ばし、「シンガポール化」された餃子の店の筆頭格ではないかと思います。
ちなみに銀座店で話を伺ったところ、「小籠包はシンガポール本店の味をそのまま踏襲しているが、それ以外は若干日本風にしている」ということでした。また、イタリア ミラノにも店があります。Pasta B Jinghua (Milan) 。ここでは麺料理にパスタ!を出すなど、現地化は随所で見られるようです。
その日は8人での会食ということで多くの料理を試すことができました。
餃子系では、三鮮餃子(Boiled)、三鮮焼餃子、Chinese Pizza (このピザ風の料理は、如何にも日本人家族に評判がいいようです)
21/23 Neil Road , Singapore 088814
HH=ホーチミン・・玉意水餃
今回の餃子の旅の準備で初めて知ったのが「ホーチミンには何と!『餃子通り』と呼ばれる名所がある」ということです。Hà Tôn Quyền。
場所は中華街と呼ばれるCHO LONの中心地。期待は高まります。
前掲の「大娘水餃」から徒歩20分程度の距離です。同じくダウンタウン中心のベンタイン市場から1番バスで終着の「チョロンバスターミナル」で降車。
ベンタイン市場あたりの中心街から比べ随分のどかなエリアになっています。駅前の大昔から変わってなさそうな露店市場、生きた鶏の販売店(新鮮なおいしさは確実!)を抜け、北側に向かって徒歩15分程度。Google Mapを頼りに歩きます。
しばらく歩くと突如現れる水餃子店の看板多数! 道路の両側に軒並み続きます。
ユニークなのは店名にただ番地を入れている店が多いところ。
SUI CAO 175
SUI CAO 162
SUI CAO 152
(コーヒーショップでも同じでした)
実は出かけたのが(様々な予定がある手前!)11:00頃で、開いていない店も多く、WEB情報でもよく見かけた「玉意水餃」に入りました。
テーブルの上のメニューから、一番上のSui Cao Mi Muc を注文。烏賊入り水餃子麺。80,000VND (500円弱)後で調べなおしたら、基本的に「スープ水餃子」「スープ水餃子麺」「揚げ餃子」の3種類があるようです。(漢字表記が“煎”なのですが、焼餃子ではなく揚げ餃子なのですね。”炒”ではなく) 揚げ餃子がメニューの上位に来る店はそういえば初めてです。最も、使う油の量での、“焼く”のと“揚げる”の境界は外観上ではよくわかりません・・)
ともあれ、この辺が「ベトナム式展開」の典型と感じました。ベトナムに渡った中国人は広東人が一番多いそうです。
朝11時の客は3組だけでしたが、昼食の時間帯および夜は、相当賑わうようです。そしてこの一帯のSUI CAOの店は、味は別にして構成は類似のようです。
(“お粥“の時にも報告しましたが、ベトナム人、烏賊が好きなんですね!)
「ベトナム餃子」。「ベトナムコーヒー」もそうなのですが、かなり強い世界が形成されていますね。
「伝統VS現地化展開」一般市民の受け入れに何らかの変化が生じるのか非常に興味があります。
II= 深圳・・喜家徳
700店舗の展開の喜家徳。番外としてのご紹介です。メニューは多数取り揃えていますが、あくまでも主力は水餃子とはっきりしています。
各店舗、窓から餃子の制作過程を見られる構成をしていて、清潔感も強く演出しています。
JJ= シンガポール・・CHANGI AIRPORT NO.3 TERMINAL (YONG TAU FOO)
引き続き番外です。CHANGI空港の第三ターミナルの中にヨントーフの店があったので、試してみました。そもそもヨントーフの起源は、「客家人が北方から南下してきた際に『小麦食』としての餃子の代替が当時は必要であった中、豊富にあった大豆の豆腐を使用」したとのこと。また、当初はただ豆腐の間に具材を“餃子のように”挟んでいたものが、今では展開で、まさしく日本のおでんのような形態になっています。
さて、ヨントーフ。日本では馴染みはないのですが、シンガポールでは人気の高い料理の筆頭かもしれません。いずれ日本でもあちこちで見られるようになるかもしれませんね。
具材と共に、麺も選べたり、スープも選べるところもあります。私はちょうどラクサをいろいろ試したいところから、「ラクサヨントーフ」を注文してしまいました。
「現地化展開」
今回は表層のみで、随分誤解も多いかと思います。長い目も必要かと思いますので、今後ともできるだけ見続けていければ、と思います。
コメント