日本で馴染みの深い中華料理の筆頭となる餃子(ラーメンは除きます)。
しかしその餃子は日本では圧倒的に「焼餃子」が主流で、その多くが「お酒を飲みながら食べる料理」と言えるかもしれません。しかし中国では「水餃子」が主流で、本場は東北地方にあるらしいこと、昨今のガチ中華のブームで東北地方が表に出てきている風潮の中、構図が少しずつ広まっているようです。水餃子を看板に挙げた店も(首都圏ですが)増えてきています。
さて、日本の状況を見た中で、諸外国では餃子の展開はどうなっているのでしょうか?
前稿で、餃子を、⑤水餃子 ⑥蒸し餃子 ⑦焼餃子 ⑧その他、と分類したときに、東南アジア諸国の状況について調べてきたい旨宣言いたしました。
そして、香港、深圳、ペナン、シンガポール、ホーチミンを回ってきましたので、短い時間の中、表面だけとなるかもしれませんが報告します。ここでは
⑥、⑦、⑧を「現地化展開」と纏め、
Ⅱ 現地化展開
と組みなおして報告いたします。
Ⅰ 原点
どの地においても、探せば、原点を守っているような店はあるものですね!収穫です。そして、全体での空気感はかなり類似しています。春節のときに家族が集まり皆で作った餃子を食べあう時のような。どの店の餃子からも、手作りの素朴な温かさが一つ一つしみじみと伝わってきます。
店主さんの出身地は中国東北地方(ホーチミンの大娘水餃は台湾です)。店の名前に非常にわかりやすく“東北”などの地方名を入れています。
全体的に店の規模感は小さめです。家族経営の形態が多そう。客層は、Ⅱは店舗数を増やし観光客を取り込む姿勢が強く見られるのに対し、Ⅰでは地元客中心に見られます。(もちろん極端ではない。どこもネットで調べられる店なので、観光客も探すし、かなり有名な店も入っています)
個人的な意見としては、ぜひ「原点」に拘る店に頑張っていただきたいと思うのです。日本の「ガチ中華」の動きと類似の流れで、東北地方出身の方がもっと表に出て、それをローカル市民が受け入れる展開は、どこかで見られないか。あくまでも仮説ですが、これからも東南アジアをそんな視点でも見ていきたいと考えるのです。
下記を訪問しました。
AA:香港・・北方餃子源
CC:ペナン・・東北餃子館
DD:シンガポール・・東北人家
EE:ホーチミン・・・大娘水餃
AA:香港・・北方餃子源
G/F, 134 Portland Street, Mong Kok
店はCAUSEWAY BAY他にもありますが、宿に近い旺角店に行きました。
餃子メニューのグループでの順番が、水餃子→スープ餃子(麺入り)→焼餃子
となっています。
もちろん注文はメニューの筆頭に来る「白菜猪肉餃」(HKD53/10pcs—約1千円)。
もう一品、キュウリの中華サラダ(@HKD35)を頼みました。もう一品を麺にすれば、一人のときのランチ/ディナー予算は2,000円強といったところでしょうか。
メニュー的には「餃子をメインにした幅広い中華」といえる店。
BB:深圳・・華民北方餃子館
ちょうど訪問の日が冬至でした。中国では春節と共に冬至に餃子を食べる習慣があって、店は大賑わいでした。(写真の時間が若干遅い時間帯で店を閉めるところでした)
深圳都心からは少し離れた龍華区、地下鉄の駅では「上塘駅」から2㎞。
(ちなみに冬至に餃子を食べるのは東北地方の習慣で、南部では湯円を食べるそうです)
深圳市龍華区民治街道上塘東二村B棟商住楼30号
諸事情で価格の記録ができていません。。メインの水餃子は30元くらいだったと思います。
一緒に頼んだのが干豆腐のサラダ。大好きです。
この店も、比較的規模が大きく、香港と同じく幅広い中華の店です。
CC:ペナン・・東北餃子館
56, Jalan C.Y. Choy, George Town, 10300 George Town, Pulau Pinang
正直言ってペナンでは餃子店探しに少々苦労しました。ペナンは「美食の街」と呼ばれ、中心となるジョージタウンでは魅惑的なレストランが溢れているのですが、「餃子」を求める人は多くないのか、と思ってしまいました。しかし東北地方出身の店主の家族経営の店に行ってきました。
ペナンの観光地繁華街からは少し離れますが十分徒歩で行けます。
56, Lebuh Noordin, 10300, Georgetown, Penang.
(もう一軒、宿に近いところに店を発見したのですが、残念ながらお休みで時間が取れなかったです)
こんな店内の表示が、店の空気を端的に伝えています。
順番としては、焼餃子が筆頭に来ました。。料理としては幅広く提供しています。
白菜の水餃子 RM15/10pcs (¥500弱)
DD: シンガポール・・東北人家
22 Upper cross street Singapore058334
いんげんの中華炒めと水餃子(10個)で、SD20 (¥2,000強)
場所はシンガポールのチャイナタウンの北側、Upper Cross Street。「東北」の名前を付けた店が3件並んでいます。「ミニ東北通り」と言えるかもしれません。
EE: ホーチミン・・大娘水餃
(ホーチミンのみ、中国東北地方出身の店に行くことができませんでした。超派手なアジアでもトップクラスを行くようなブイビエンというエリアにある店は見たのですが、諸事情で食事をすることができず残念!)
東北餃子(Sui Cao Dong Bac)
189 Bui Vien St., Pham Ngu Lao, Dist.1)
大娘水餃はネットでも頻繁に紹介されている観光客にも有名な店です。台湾出身の店主の店で台湾の本格的な水餃子を出してくれます。
964 Tran Hung Dao, Dist.5, HCMC
ランチタイム終了の間際、14:00少し前に行ったら、お客さんがいなくて寂しかったのですが、普段は人気店のはずです。
安心の味です。水餃子60,000VND (約¥360)
「水餃子の旅」にお付き合いいただきありがとうございました!
追って「Ⅱと纏め編」をお送りします
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