街中の気軽な飲茶「裕豊祥」

旅・食

 飲茶の本場は当然ながら香港で、様々なスタイルの店が潤沢にあるのですが、その中でも最も香港らしいといえるのは、

①大きなフロアに大勢のお客さんが集まり、円卓で、遠慮ない会話のこだまの中で悠然と食事を楽しむスタイル。

②(本来の飲茶なのでしょうが、)早朝にでもお茶を楽しむのを目的に点心を少しつまむスタイル。老舗の有名店が浮かびます。

 この二つではないかと思います。今、日本(首都圏?)では世界のかなり多くの国の食事を、かなり近い形で楽しむことができるのですが、それでも残念ながら①と②においては、香港に行くたびに「いやあ、これはここでしか経験できないなあ」と強く思わされます。しかし、それでも昨今の「ディープ中華」「ガチ中華」の大きな流れの中で、「香港らしい」飲茶の店は見つけられます。

 高田馬場「裕豊祥」 20席程度の比較的こじんまりした店で、香港からのシェフによる本格的な点心が頼めます。香港で言うと「近所で軽く飲茶できる店」って感じです。それだって十分に香港を感じさせられます!

 注文したのは、(2人ですが)、鮑のお粥、蝦ワンタン麺、小籠包、蝦蒸し餃子の4品。

 お粥は当然ながらとろっとろの広東粥(Canton Congee)。ワンタン麺も、これも香港の大通りから少し横に入った小道にある小さな店でいつも客で賑わっていて、広東語しか通じなくて少し注文にも手こずるような店でよく食べた、シンプルでとても落ち着く味。小籠包と蒸餃子は、大賑わいの①の飲茶の店でいつも楽しませてもらった味。嬉しくなってきます。

 それでも、それでも、大勢の仲間と連れ立って円卓を囲み、気兼ねなく、いくらでも喋りながら飲み食いができるような、そんな店が現れて欲しいといつも思っています。(高級中華の個室で、って感じではなく)

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