羽根つき餃子の聖地「蒲田」で、今後の「ガチ化」への展開を考える

旅・食

 「羽根つき餃子」は外観上のインパクトが大きいのかもしれませんが、広く見られるメニューとなっています。そしてその発祥は蒲田にあることも、よく知られているようです。

 1983年創業の「你好」。当時の満州から敗戦後に引き上げをされた八木功さんが、現地で食べられた餃子をもとに羽根つき餃子の発案、大ヒットとなって、親族何人かが蒲田で類似の店を展開し、「餃子の街」になったというストーリー。(水餃子ではなく焼餃子をメインにしてのは、日本では圧倒的に焼餃子が主流であったこと、また中国では焼餃子は「残り物」のイメージが強くメインにするのに抵抗感があったところを、「羽根つき」でのインパクトを加えることでの折衷を図ったようです)

 「焼餃子をメインにした日本的な店」ということなのかもしれませんが、今回訪問した「歓迎」(ホァンヨン)は、従業員さんほぼすべて中国人(調査ではなく一見での推定です)であること、店内の雰囲気は「まるで中国」と感じられたことから、「町中華」と「ガチ中華」の境界が不明に思えてくる店でした。

 実際、例えばよく知られているように、現在の在留中国人の出身地は東北三省が一番多く(*下記データ参照)、仮に四川料理の店であっても、コックさんは遼寧省出身、ということもよくあるようです。「歓迎」のコックさんの出身を聞いてはいないのですが東北三省ないしは東北地方である可能性は高いです。であれば、徐々にであっても「ガチ」の空気は高まるように思うのです。もちろんメニューに水餃子はしっかりあって本場の味。

 これは蒲田の御三家+に限るのではなく、典型的な町中華であっても、従業員の志向が「ガチ」であって、お客さんも徐々に「ガチ」に慣れていくことで、全体的な構成が変わっていくのでは。そんなことを感じながら、久々の蒲田訪問を楽しみました。

*2011年資料「本籍地別の在留中国人人口」(北海道大学翁康健氏論文より)

遼寧省–15.58%

黒竜江省–11.52%

福建省– 9.49%

山東省– 8.79%

吉林省– 8.43%

・「歓迎」のご紹介

住所:東京都大田区蒲田5-13-26

営業時間:11:30~14:00・17:00~23:00/定休日:無

ワンタンスープ。メニューの全体構成は「町中華」です。。

水餃子6個で¥550 全体的に後述の「你好」よりは少々高め。

「空気感」がうまく出ていないのが残念ですが、まさに中国!

・「你好」のご紹介

住所:東京都大田区蒲田4-24-14

営業時間:11:30~23:00 定休日:不定休

蒲田の餃子店のうちでタッチパネルを使っているのはどのくらいでしょう?

年輪と風格にあふれた玄関

 たまたまなのでしょうか、お客さんはすべて日本人(うちの家内を除く)で、そこが「町中華」の空気を感じた所以かもしれません。

コメント

タイトルとURLをコピーしました