THE MULE  ー頑固者ー

雑記

大好きなCLINT EASTWOOD 主演監督の映画です。2018年作品。

MULE っていろんな意味があるようですね。①ラバ ②頑固者 ③麻薬の運び屋。映画はすべての意味を入れ込んだように私は感じました。邦題は「運び屋」。しかし③だけではおもしろくない。①のラバも運び屋のイメージがありますね。しかし決して「俊敏」ではない。年齢による衰えが連想されます。②頑固者。そのままです。

ある程度の年齢を経ると、人はそれなりに「古き良き時代」を思い起こすようです。頑張って外ではずっと「いい顔」を演じてきた。付き合いもそこそこうまくやってきた。しかし、家の中も外も、すべて誰からも称賛されるような人生、もちろん理想なのですが、なかなかそういう人生にお目にかかったこともないように思います。

外と内とは逆かもしれません。頑固者とは反対かもしれません。しかしいずれの場合においても、大概の人の振り返りには、「贖罪の感覚」が伴うように思います。「できることなら人生、やり直してみたい」。こう一度も思ったことがない人はいるのでしょうか。

主人公は「外」への重視が強かったがため、「内」での関係は崩壊に近かった。それを自分で「失敗」と認めてしまうほど。しかも昔の成功も長く続かず生活も困窮の事態に陥った。そのときに偶然なのか「麻薬の運び人」の仕事を得てかろうじて復活することができた。

しかし、その復活も、前の失敗に戻るだけです。ちょうどそんなときに奥さんの病気をきっかけに、自分の中の勇気をすべて振り絞り、安定かもしれない新しい仕事とひょっとすると生命も放棄するような決断で家族のもとに戻った。そして見事にかなった贖罪。

90歳という年齢設定はあまり関係ないように思います。60歳だって同じだ。

「誰もが取り戻したい大事なものを長い間抱えている」

「そしてそれはいつかは叶えられる」(意志さえあれば)

強い勇気をいただける作品です。

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